
ペットの口腔環境は本人の健康のためにも、飼い主さんの気分のためにも重要です。
そしてペットの口臭が気になることで、歯磨きを決意される飼い主さんは多いですが、
実際に歯磨きができた方はほぼいないのではないかと思っています。
理由は単純明快で、そもそもペットには歯を磨く習慣はないからです。
すんなり歯を磨かせてくれる子はとても稀で、通常は訓練を必要とするのです。
ということで今日は歯磨きができるようになるまでの手順を紹介します。
4ステップで歯磨きができる子を目指す
はじめに
大体の方はペット用の歯ブラシを手に入れたら早速磨こうとしますが、
残念ながら磨けないだけでなく、逆効果の事がほとんどです。
逆効果といったのは、歯磨き自体をものすごく嫌がるようになるからです。
ペットにとっては飼い主さんが突然歯ブラシを持ち出してきて、
何かと思う内に口に突っ込まれてガシガシされるわけですから、
それは「嫌な記憶」として残ってしまいます。
なので、そのうち歯ブラシを手に持っただけで逃げていくようになるのは当然なのです。
大事なのは歯磨きや歯ブラシを「良いもの」として記憶してもらう事です。
ちなみに犬と猫を比べると、猫の方がより難しいと思います。
犬は褒めたりご褒美をあげることによって学習させやすいのですが、
猫は同じ方法では上手くいかないことが多いです。
とはいえ、基本的な方針は変わりませんので少しずつ慣らしていく方法が、
以下の4ステップになります。
1、歯ブラシに慣れてもらう
2、口周りに触ることに慣れてもらう
3、歯ブラシ+口周りに慣れてもらう
4、歯磨きに少しずつ慣れてもらう
1、歯ブラシに慣れてもらう
まずは歯ブラシを「良いもの」として覚えてもらうステップです。
歯ブラシを手に取ってペットの横を通過しましょう。
歯ブラシを持っていることは普通のことだと思わせるのです。
それに慣れてきたら、次は歯ブラシを持ってペットのそばに行きましょう。
玩具として使ってもいいですし、ただ見せるだけでもいいです。
歯ブラシを認識したり、触ったりした場合にはすぐに褒めましょう。
おやつをあげるのも良い手です。
そうやって歯ブラシが近くに来る=いい事というのを学習させます。
2、口周りに触ることに慣れてもらう
これは1と並行して進めてもいいのですが、次は口に触るのを慣れさせるステップです。
口周りは触られるのを嫌がる子も多いので、特にゆっくりと進めましょう。
顔周りをなでながら、唇あたりに進んでいきます。
そこで嫌がらないようであれば、唇をめくる事にもトライしてみましょう。
目標まで到達できれば褒めたりおやつをあげてもいいでしょう。
もし途中で嫌がる様であればその場はすぐに止めておき、
しばらく時間をおいてから、前回より遠い部分から少しずつ慣らしていきます。
3、歯ブラシ+口周りに慣れてもらう
次は口周りを触りながら歯ブラシを持っている事に慣れさせます。
そこで嫌がらなければ、次は歯ブラシを歯にそっと触れさせます。
そしてすかさず褒めるかご褒美をあげましょう。
4、歯磨きに少しずつ慣れてもらう
ようやく準備が整いましたので、歯磨きを開始していきます。
ただし、最初は磨く範囲を少しだけにしておいて下さい。
一度にすべての歯を磨くのは歯磨きに相当慣れてからになりますので、
当面は一部だけでも磨ければOKです。
そして磨くときも最初はガシガシ動かさずにゆっくりと動かしてください。
もしも手荒に進めて本人が嫌がってしまったら、ここまでの苦労が水の泡です。
とにかく習慣化できるまでは焦らずゆっくりと慣らしていきましょう。
ちなみに歯の内側を磨くのはまず無理です。
外側の面を磨けるだけでも効果は絶大ですし、どうしても内側もキレイにしたい場合には
動物病院で全身麻酔をかけた上でデンタルケアをするしかないでしょう。
おわりに
今日は歯磨きをできるようになるための手順についてお話ししました。
とはいえ、性格などの問題でどう頑張ってもできない子もいると思いますので、
あまり無理はし過ぎないように試していただければと思います。
次回は
「ペットのデンタルグッズは効果があるのか?」
という内容でお届けする予定です、ご期待ください。
それではまた。
【追記】書きました。↓
犬・猫用のデンタルグッズは効果があるのか