今日はタイトル通りの内容で、
ぼったくりの動物病院があるかどうかについてお話しします。
はじめに:医療費について
ホームページや病院内の案内に治療費を提示している所は少なく、
提示されていてもワクチンや初診・再診料などの一般的な項目のみ
という病院がほとんどなのではないかと思います。
そのためケガをしたり、お腹の調子が悪かったりとしたときに、
飼い主さんが治療費というのは予測がつかないというのも当然です。
まず飼い主の皆様に知っておいていただきたい事が、
「動物病院では診療費を自由に設定できる」という事実です。
人間のように、こういう処置をしたらいくら、こういう検査ならいくら、
とは決められていません。
なので、各病院でそれぞれの値段設定がされています。
当然、不当に治療費を請求することもできます
(俗にいうぼったくり病院ですね)
本題:ぼったくり動物病院は存在するのか?
さて、ぼったくりの動物病院が存在するのかというと、
実際に存在します。
下記の記事でも少し触れましたが、
利益追求のために一般的な治療費よりも圧倒的に高額な請求をしている病院を知っています。
その病院から転院してきた患者さんから請求額を教えてもらったのですが、
私の病院の倍以上の治療費が請求されていました。
飼い主さんも流石にこの金額はおかしいのではないかと感じていたようです。
ぼったくりの動物病院は多いの?
こういった記事を書くと動物病院業界に対する不信感が募ってしまうかもしれませんが、
幸いにしてぼったくり病院の割合はかなり少数なのではないかと私は考えています。
その理由は以下の2つです。
1.ぼったくり病院は長期的に顧客を維持することが難しい
ぼったくり病院は高額な請求を行いますので、基本的にリピート客が見込めません。
あまり深く考えない人であれば、動物病院はそれぐらいお金のかかるものなのだ、
と納得してしまうかもしれませんが、普通の人であれば高額な治療費に耐えられず
次回以降は別の病院を利用するでしょう。
また、ぼったくりにあった飼い主さんが口コミやインターネットなどで
悪評を広げていくことも容易に想像できます。
そのため、ぼったくり病院は一時的に多額の利益を上げることはできても、
長期間にわたって顧客を維持し、病院を存続させる事には向いてないと言えるでしょう。
2.ぼったくり病院はスタッフの維持が難しい
ぼったくり病院では本来は必要のないと思われる検査・処置をすすめて、
ノルマとなる売り上げを稼ぐということも行われると聞いたことがあります。
しかし働いているスタッフも機械ではなく生身の人間ですから、
通常はそういった行為を重ねることに罪悪感が募ります。
そして「こんなことはしたくない」と退職を考えるようになるはずです。
そのためぼったくり病院ではスタッフを維持するのがきっと難しいでしょう。
というわけで、ぼったくりの動物病院は長く栄えることが難しいのではないかと思われれ、
それゆえに存在数も必然と少数に落ち着くと考えられるのです。
それでも存在するぼったくり病院とは
では、この条件を回避しつつ存在し続けることのできるぼったくり動物病院とは
一体どのような動物病院でしょうか?
答えは、先ほどの逆のケースを考えていけばわかります。
・リピートの客がメインではなく、一回きりの診察が多い病院
・治療費が高くても問題を感じさせない病院
・口コミが悪くとも、使わざるを得ない病院
・スタッフ数をあまり必要としない病院
さあ、あなたはどういう病院か予想がつきますか?
答えは夜間病院です。
ちなみに誤解の無いように断っておきますが、
夜間病院=ぼったくり ではないです。
夜間病院は必然的に緊急性の高い疾患が来ることが多く、
それゆえに十分にスキルのある獣医師やスタッフが求められます。
そしてそのような人材を人件費の高い夜間に勤務させるわけですから、
治療費が高くなってしまうのは当然なのです。
スタッフにとっては体への負担も大きく、動物のためにという志がないと、
まず続けることは難しいと思います。
そしてほとんどの夜間病院がそのような動物への愛情をもった有志が集まった
しっかりとした夜間病院なはずです。
なので、不当に夜間病院を警戒しないでください。
話が逸れてしまいましたが、
夜間病院がぼったくり病院である確率は、普通の病院よりも高くなると言えるでしょう。
ぼったくり動物病院を避けるために
これまでの思考により、
ぼったくりの動物病院は数こそ少ないものの確かに存在しており、
夜間病院ではより可能性が高まるということがわかりました。
ではそのような病院を避けるためにどうすれば良いかですが、
・普段から夜間に視てもらえる(+評判の良い)病院を探しておく
・夜間に何かあったときの対処方法をかかりつけに確認しておく
こういったことを心がけておくと良いと思います。
夜にペットの体調が悪くなれば焦ってしまい、冷静な思考はできないでしょうから、
探している際に違和感を覚えても「緊急だから仕方ない」と思ってしまい、
変な病院を選んでしまったりするかもしれません。
日頃からの準備が大切だということですね。
長く書いてきましたが、少しは参考になりましたでしょうか?
それではまた。