朝起きてみたら、床に黄色い液体が落ちている・・・
なんだか泡も混じっていて、吐物のようだが固形物は見られない。
犬を飼っているとそんな事があるかもしれません。
生活の仕方や本人の体質などによっては全く見られないのですが、
これは「胃酸過多」という状態です。
胃酸過多とは?
胃酸過多は、お腹が空いて胃酸が出過ぎている状態です。
人間も食事を取らずにずっと長時間過ごしていると、
空腹によって胃がキリキリすることがありますが、あれと同じ状態です。
犬は食べ物を人間から貰うしかありませんので、
そのタイミングによっては空腹時間が長くなってしまい、
胃酸が出過ぎてしまうということが起こるのです。
大抵の場合、胃酸過多による嘔吐は朝見られます。
そして吐いた本人は元気で体調が悪いという様子ではなく、
ご飯が出されると喜んで勢いよく食べ始めます。
そういった様子なので飼い主さんも心配しておらず、
犬はそういうものなのだ、と思われていることもあります。
しかし猫とは違い、犬は健康な場合に吐くことはありませんので、
胃酸過多に限らず吐く場合は注意してください。
胃酸過多は病気?
胃酸過多は病気ではありません。
単にお腹が空き過ぎて吐いているだけなので、
そういう状況を作らないようにしてあげれば問題ないのです。
もちろん胃酸過多と見せかけて他の病気が原因で吐いているというのもあり得るので、
空腹時間を作らないようにしても吐いている場合や、
食後吐いているような場合には動物病院で診てもらいましょう。
胃酸過多を防ぐには
胃酸過多を防ぐ方法は、「空腹にさせない」というシンプルなものです。
しかし空腹にさせまいとご飯をあげ過ぎると肥満になってしまいますから、
一日のご飯の総量を増やしてはいけません。
量ではなく、回数とタイミングを調整して空腹を防ぐのです。
例えば、朝と晩にご飯をあげていて朝方吐いているのなら夜ご飯を遅くする。
夜ご飯の一部を取り分けておいて、夜寝る前に夜食として与える。
それ以外には、フードの種類を腹持ちのいいものに変えるという方法もあります。
不溶性の食物繊維が豊富なフードは、お腹の中に滞留している時間が長くなりますので、
空腹を紛らわせてくれます。
また、ダイエット系のフードは量に対してカロリーが低めに設計されていますので、
同じ体重でも多くのご飯を与えることができますので、これも空腹予防に役立ちます。
食べムラがある子の胃酸過多はどうすればよいか?
食に無頓着だったり、食べ物のこだわりが強いので、あまりごはんを食べない。
そのような子で胃酸過多がある場合は非常に厄介です。
食べるご飯をあれこれと探しているうちに嗜好性の高いご飯に慣れてしまい、
どんどん贅沢になってもっと食べないようになって行く・・・
そういったケースでの相談も度々ありますが、一概に言える答えは無いので
獣医師と随時相談しながら対処していくしかありません。
出したご飯を食べるまで我慢比べをしたり、強制的に給餌を行ったり、
胃酸抑制剤を飲ませて嘔吐を防いだりと色々試してみることになるでしょう。
おわりに
今日は犬にみられる胃酸過多についてお話ししました。
特に病気では無いのでそんなに心配はいらないものですが、
発生頻度としてはそれなりに高いので、適切に対処していきましょう。
それではまた。
<参考記事>