嫌がる子をなんとか動物病院に連れてきたあなた。
受付は済ませたものの、なかなか自分が呼ばれる気配がない。
スタッフは中で一体何をやっているのだろう・・・
こんな風に思ったことはありませんか?
ということで、今日は獣医が診察室の中で患者さんとお話しする以外に1日どんなことをやっているのかお話しします。
ちなみに院長なのか、勤務医なのか、どういう病院なのか、キャリアはどれぐらいなのか、
そういう要素で変わってきますので、今回は一般的な勤務医をモデルとした一日をお届けします。
・8:30 出勤
朝ミーティング
入院患者の状態確認
入院患者に採血、注射、レントゲンや超音波検査を行う
入院患者に必要に応じて留置針の入れ替えを行う
採血した血液を血液検査にかける
・9:00 外来の受付開始
患者Aちゃんの診察に入ると、昨夜から調子が悪いとのことで、血液検査と超音波検査を行う話になる
Aちゃんをお預かりして、採血→看護師さんに渡して血液検査を進めてもらう
血液検査の結果が出るまでの間に、超音波検査を実施…しようと思った所で、院長患者の超音波検査を頼まれる
超音波検査を院長患者→Aちゃんの順に2連続実施
入院患者の血液検査の結果を確認、炎症の数字の上昇が気になるがすぐに調べる時間がないので、保留
院長患者の超音波検査結果をカルテに記載
Aちゃんの説明を開始、説明途中で患者から電話の問い合わせが入るが説明中のため折り返し電話することを伝えてもらう。Aちゃんにはひとまず内服薬を飲んでもらい経過を観察することになる
電話の折り返し連絡を行う。外注検査の結果、ホルモンの数値は問題ないので今の薬を続けるよう指示する
Aちゃんの検査結果をカルテに記載し、処方を決める。薬の作成と会計を看護師さんにお願いする
入院患者の朝の血液から塗抹スライドを作成し、染色、顕微鏡で観察する。炎症が強くなってきている様子が見て取れるため、抗生剤の追加を決定する。夕方から飲み薬で抗生剤を追加するように看護師さんに指示するとともに、カルテにその旨を記載する。
後輩獣医師から相談を受け、飼い主さんへ説明すべき内容を伝えるとともに、後程一緒に超音波検査を行う約束をする
10:30
そうこうしているうちに外来がたまってきており、急いでBちゃんの診察へ入る
Bちゃんはワクチンの接種のみで、比較的短時間で診察が終了。カルテの記載は後回しにして、看護師さんに会計をお願いする
Cちゃんの診察へ入る。腎不全の猫ちゃんのため、いつもと同じように皮下点滴を行う。おわったら看護師さんに会計をお願いする
外来はまだ残っているが大量に待っているわけではなさそうなので、一旦Bちゃんのカルテを取りに行き、体温などの情報を記載
11:00
「本日去勢の予定のDちゃんがすでに来院されているが、時間がないので早く預けたいと言っている」と受付より連絡が入る
急いでDちゃんを呼び、絶食の確認や手術内容・麻酔の説明、退院の予定等をお伝えしてお預かりする
Dちゃんを先に呼んでしまったので、本当は先に呼ばなければいけないEちゃんをすぐに呼ぶ
Eちゃんは前回皮膚炎に対して薬を出したものの、改善がないということでやや不満そうである。順番をとばしてしまったことも不満の原因かもしれない。皮膚炎の原因を調べるべく皮膚検査を実施することになる。
Eちゃんは気性が荒いため、扱いの慣れている看護師さんに保定を頼みたいが、今は別の仕事をしているため少し待つことにする
待っている間に、Dちゃんの全身麻酔の為の留置針を入れる準備をする
看護師さんの手が空いたのでEちゃんを保定してもらい、皮膚検査を実施。
採取したサンプルを一部保管するとともに、染色・顕微鏡で観察
Eちゃんの説明に入ろうとすると、先ほどの後輩に再度相談を受ける。しかしEちゃんをお待たせしたくないので、保留にさせてもらい、Eちゃんの説明を開始
前回の治療結果に不満そうであったので、皮膚検査の結果からどういうことが言えるのかを時間をかけて説明する
Eちゃんはアレルギーの可能性を考えなければならず、アレルギー検査をやってみることになったが、血液を採取する必要があるために再度扱いに慣れた看護師さんを待つことに。
待っている間にDちゃんの留置針を設置。
Eちゃんのアレルギー検査用の血液を採取しようとするが、先ほどの皮膚検査ですでに機嫌が悪くなっており、もう一人保定が必要そうだ。なんとかもう一人保定を確保し、採血を行う。
Eちゃんをお返しし、カルテを記載、会計をお願いする。
12:00 午前の診察受付終了
まだ外来が残っているために、まだDちゃんの去勢手術を始めることはできない
保留にした後輩の相談を聞くとともに、約束していた超音波検査を一緒に行う
他の獣医が外来を進めてくれており、診察待ちが0件になっているのを確認。
12:30 手術開始
(長いので、後編へ続きます)