やっと暑さが治まってきましたね。
とはいえ、病気は色々やってくるわけでして、
やっぱり膵炎は犬・猫ともによく見かける印象です。
今日はそんな膵炎の、特に猫の膵炎についてお話しします。
膵炎詳細については、以下の記事を参考にしてください。
猫の膵炎の特徴
まずは猫の膵炎の特徴を見ていきましょう。
特徴を考えるにあたっての比較対象は犬です。
1、慢性が多い
膵炎には一気に調子が悪くなる急性のものと、
じわじわ調子が落ちてくる慢性のものと2種類存在します。
犬では急性、慢性どちらの膵炎も多く見られますが、
猫の膵炎は慢性型が多く、急性膵炎はかなりレアです。
そのため猫では膵炎が命に関わるような経過を取ることは稀で、
ほとんどが対症療法をしている内に治っていきます。
私自身も猫の膵炎は何度も診てきましたが、
急性の劇症型膵炎を見たことは一度もありません。
2、他の病気と併発する事が多いと思われる
これはあくまでも個人的な印象であって、
具体的なエビデンスや論説があるわけではないですが、
猫では膵炎単体で問題になる事が少ない印象があります。
猫は急性膵炎が少ないので、膵炎単体で存在しているものが
見落とされてしまう事が多いのかもしれませんが、
膵炎+腎不全とか、
膵炎+胆管炎+十二指腸炎(三臓器炎)の様に、
他の病気とセットで見つかる事が多い気がします。
3、食事内容の制限が無い
犬の膵炎における食事は、低脂肪が良いとされています。
しかし猫の膵炎では食事内容に制限はありません。
食欲が落ちているなら、高脂肪で高カロリーなものもアリです。
味の落ちる低脂肪食で頑張るという必要がないのは非常に楽です。
4、ステロイドが使える
犬の膵炎では治療にステロイドを使う事に賛否両論がありますが、
猫ではステロイドの使用に明確なNOはありません。
(膵炎以外の病気の併発によってステロイドの使用が否定される事はありますが)
猫の膵炎って予防できるの?
これといった予防策はないと思います。
血液循環が悪くなると膵炎の発症リスクが高まると言われているので、
循環が悪くなってしまう腎不全や心疾患にかからないようにする事や、
循環不全を引き起こす全身麻酔を避ける事ぐらいしかできないと思います。
特に高齢猫では腎不全、拡張型心筋症、ウイルス性の歯周病などの発生が多く、
それらの病気の早期発見や進行予防のためには、
日頃の生活や定期的な健康診断が大切になります。
猫の膵炎って治療にお金が掛かる?
治療にお金はそれほど掛からない事が多いと思います。
しっかり膵炎が診断できていれば、
皮下点滴などの簡単な対症療法だけで解決されることもあります。
入院をしていただく事もありますが、
短期間で体調が回復する事が多いです。
そのため治療費はあまり高くはならない印象です。
おわりに
飼っている猫が膵炎になって困っている人は少ないと思いますが、
気になる点や不明な事などはコメントいただければお答えしたいと思います。
それではまた。