近頃は台風や、水害が多くて大変でしたね。
私もこの前の台風に備えて、
生まれて初めてハザードマップを初めて見る事になりました。
さて、そんな台風ですが、
被害が出るのは我々人間だけではありません。
ペットの病気も悪化する可能性があり、
それは直接台風に晒されなくとも起こり得ます。
ということで今日は、
台風とペットの病気の関係性~あの病気も悪化する可能性~
台風の何がマズイのか
日本に台風が近づいてくると、
気温・気圧・降水量と色々な変化を起こしていきますが、
なかでも気圧が要注意だと思っています。
普段は全く意識する事が無いですが、
我々の周りには気圧という圧力がかかっています。
それが変化すれば、体表への力が変わるわけで、
結果として体の中への圧力も変化します。
特に脳圧や、血圧にも影響が出る可能性があり、
それらに影響を受ける病気は要注意です。
具体的に問題となる病気とは?
エビデンスを確認したわけではありませんが、
・頭蓋内疾患
(てんかん、水頭症、脳腫瘍、など)
・心臓の病気
(僧帽弁閉鎖不全症、不整脈、肺水腫など)
この辺りの病気は影響が出る可能性があります。
特に、てんかんによる発作は台風で悪化する症例が多く、
患者さんにもその旨をお話しする機会が多い病気です。
かかりつけの先生と話して、
・てんかん抑制薬の用量を増やしてもらう
・緊急時の座薬を処方してもらう
・発作時の対応について細かく聞いておく
・夜間の受け入れ先を聞いておく
などの準備をしておきましょう。
また心臓の病気についても、台風の前後で悪化する事が多いと感じます。
特に犬では、中程度~重度の僧帽弁閉鎖不全症の患者さんが、
気圧の変化からか肺水腫になって緊急入院というのが
よくあるパターンとなっています。
猫の心疾患に関しては台風の前後で来院が増える印象がないので、
関係性が薄いのかもしれません・・・
猫は肥大型心筋症が多いので、犬ほど肺水腫に直結しにくく、
ガクッと調子が崩れず気付かれにくい、
などという理由があるのかもしれませんね。
<肺水腫については病気百科を参照>
お腹や尿の調子が崩れる子も…
デリケートな性格の子だと、
台風による風の音や、自宅の揺れにストレスを感じてしまい、
ストレス性の胃腸炎や膀胱炎を引き起こす可能性があります。
また飼い主さんがいつもと違う様子だと、
ペットも不安になってしまいますので、
台風が来ても焦ったりはせずに、
できるだけいつも通りを装ってあげましょう。
あらかじめ本人が安心できる場所を確保しておいたり、
できるだけ一緒に過ごして安心させられるとベストでしょう。
おわりに
今日は台風と病気の関係性についてお話ししました。
今回話した内容と重複する点も多いですが、
次回は「台風に備える」というテーマでお話ししたいと考えています。
それではまた。