現在ペットといえば犬・猫が代表例ですが、ハムスター・ウサギ・フェレットや鳥、
はたまた蛇やイグアナやサルなど、珍しい動物を飼育されている方もいます。
しかしながらそのようなエキゾチックアニマルを診察できる獣医師は非常にまれです。
なぜエキゾチックアニマルを診察できる獣医が少ないのか
理由1、勉強がしづらい
獣医の大学で個別の病気について学ぶことができる生き物は、
大動物で牛、豚、馬、小動物で犬、猫、ネズミ、その他産業動物として鶏、魚類です。
エキゾチックアニマル(以降エキゾと表記)として分類されるものの大半はこの中に入っておらず、
卒業後に働き始めて学び始めることとなります。
卒後すぐにエキゾだけ見ている病院に勤務することは考えにくく、
犬猫を診察しながらたまに来るエキゾを診察したり、自分の時間勉強することでエキゾの経験値を貯めていきます。
学生時代に比べて働きながら勉強の時間を捻出するのは大変ですから、なかなか進みません。
しかも患者さんの数も犬猫のほうが多いですから、エキゾは後回しにされがちです。
そんなこんなで診れるようにはなりにくいのです。
しかもエキゾに関する教科書は少ないこともエキゾ獣医不足に拍車をかけています。
エキゾの教科書は需要も少ないため、金額も高いと辛いことだらけです。
理由2、治療がしづらい
勉強を積み重ね知識があったとしても、治療を成功させるためにはそれだけでは不十分です。
実際の診察では保定を行い、検査を行い、処置や治療を行い、というステップを踏むことになり、
そこにもそれぞれの動物種に応じた保定の仕方や検査の解釈、薬剤の選択が必要となります。
知識だけでなく技術も必要になるということです。
大抵のエキゾは体が小さく、犬猫に比べるといろいろなことの難易度が高めになりがちです。
例えばウサギでは保定の仕方が悪いと骨折をしてしまうこともあるので、
保定というのが超大事になるのです。
しかも保定を行うのは自分ではなく看護師さんなので、自分だけ技術があってもダメなのです。
理由3、ビジネスとして成立しづらい
エキゾは種によりますが、犬・猫に比べると生体価格が安いことが多いです。
そういった場合には治療費を犬猫と同じ様には請求しづらいため、病院の経営としてはやりにくくなります。
たとえばハムスターだと生体価格が1000円ぐらいで、病院で治療をすると5000円ぐらいになったりするのですが、
そのお金で新しい子が5匹お迎えできてしまうわけで、飼い主的にも何となく高いなぁという印象が浮かんでしまう。
そういった経営の難しさからエキゾに参入しようという獣医師はあまり出てこないということになります。
上記の理由をまとめると、
「エキゾの診療では特殊な知識・スキルを要求される割には報酬が安くなりがちで割に合わない」
ということになります。
エキゾチックアニマルをペットとして飼われている場合は、あらかじめ診察してもらえる病院を探しておきましょう。