飼っている犬や猫が高齢になってくると、
病院の聴診で心臓が悪いと言われるかもしれません。
心臓の悪化に早めに気づくことができるとしたら、たいていはこのタイミングでしょう。
しかし心臓が悪いと一言でいっても様々な疾患が含まれますし、
聴診で(音を聞いて)可能性を疑うのはその中の一部だけです。
また、音を聞くだけでは病気は確定できませんので、
どういう検査をして詳しく見ていくかをお伝えします。
心臓の検査とは
心臓の状態を確かめるのに重要な検査は、
・レントゲン検査
・心電図検査
・心臓の超音波検査
この3つになります。
また、サポート的な使い方にはなりますが、
血液検査の外注項目であるNT-ProBNPというものでも心臓の状態を評価することが可能です。
<レントゲン検査>
レントゲン検査では、心臓の位置、大きさ、形と大動脈の走行を確認します。
大まかなことは確認できますが、他の2つの検査と比べると情報量が少ないように感じます。
心臓が悪いと肺に水が貯まることもありますが、それを見つけることも可能です。
<心電図検査>
心臓は鼓動をするための電気信号が流れており、
心電図検査ではその心臓を流れる電流を捉えて波形として描出します。
具体的には不整脈を見つけるための検査となります。
不整脈にもスタートの信号が出ないものや、スタートの信号が次に伝わらないものなど、
様々なタイプのものがありますので、そのどれに当たるのかを詳細に評価し、
診断名をつけるために必要なものになります。
<超音波検査>
超音波検査では、心臓の壁の厚さや内部構造の異常、血流速度などを調べます。
犬では僧帽弁の閉鎖不全症、猫では肥大型心筋症が多いといわれますが、
それらはこの超音波検査で診断を下すことになります。
動脈管化依存症などの先天的な問題も超音波検査を行うことで診断可能なことがあります。
ちなみにこの検査は超音波機械の良しあしが出てしまうので、
古い設備しかない病院だとあまりしっかりと診断しきれないかもしれません。
これら3つの検査を行うことで、心臓のどこがどの程度悪いのか正確に評価ができますので、
その状態に応じて薬を処方するということになります。
いくつかの疾患については外科手術が適応ではありますが、
専用の機械や手術スキルが必要となりますので、実際に行うのは大変です。
また、手術費も100万円を超えることもあり、負担は相当なものです。
ほとんどのケースでは内科療法のみでやっていくことになるでしょう。
また、心臓はもとの健康な状態に戻ることはありませんので、
できるだけ今よりも悪くならないようにすることが一番大事です。
そのためには早期発見が効果が高いということになりますので、
心臓の悪化が疑われたらすぐに検査を受けるようにしましょう。