病気について

FIP(猫伝染性腹膜炎)の最新治療・情報 ~ポリプレニル免疫賦活剤の効果~

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ネコ伝染性腹膜炎は飼育ネコにおいて2~12%の確立で発生すると報告されており、

発生率が高いにもかかわらず現時点で治療法が見つかっていない疾患です。

病気に関する基礎情報については、FIP(猫伝染性腹膜炎)をご確認ください。

 

今回お伝えする最新情報は2017年に海外で発表された論文で、

FIPのドライタイプに効果があるといわれる薬剤についてです。

論文タイトル:Polyprenyl Immunostimulant Treatment of Cats with Presumptive Non-Effusive Feline Infectious Peritonitis In a Field Study

2017年、ポリプレニル免疫賦活薬が猫のFIPのドライタイプに有効であることを

アメリカのテネシー州立大学が発見し、論文にて発表しました。

ドライタイプの猫60頭に対してポリプレニル免疫賦活剤を使用し、

生存期間を調べた結果、8頭が200日以上生存し、

4頭が300日以上生存したとの報告です。

ドライタイプのFIPでは200日以上生存するのは稀だとされており、

猫の専門家はポリプレニル免疫賦活剤の使用が

FIPのドライタイプに対して治療効果があるとしています。

要約すると上記のようになります。

ポリプレニル免疫賦活剤はアメリカで発売されていますので、

それを輸入することで日本でもFIPについて同じ治療を行うこともできるでしょう。

 

ただしこの治療法を行う上で、考えておかねばいけない事があります。

1、論文で発表されたのはFIPのドライタイプのみ

FIPのウェットタイプについて同様の効果があるかどうかわかりません。

もちろん試してみる価値はあると思いますが、獣医学的な根拠はないということです。

根拠(論文)に基づいた治療を行うためには、

2種類あるFIPのタイプの内、ドライタイプであることを確定させる必要がありますが、

ドライタイプはウェットタイプに比べると診断がつけにくいです。

そのため論文に沿って治療を行うというのは難しいケースが多いと思われます。

 

2、海外薬のため入手が簡単ではない

今回使用されたポリプレニル免疫賦活剤は日本で発売されていませんので、

使用するには海外から輸入を行う必要があります。

税関などの問題で注文をかけてから手元に届くまではかなり日数がかかります。

そしてポリプレニル免疫賦活剤は普通の動物病院に置いていませんので、

FIPが疑われてこの治療をしようと思っても薬が届くまでの間に病気が進行し、

猫が衰弱してしまう可能性が高いです。

 

3、ステロイドの使用を禁止している

この論文ではポリプレニル免疫賦活剤とステロイドの併用を禁じています。

これまでのFIPへの治療ではステロイドを使用することが選択肢の一つであり、

正解がない中でのスタンダードな治療として選択されることも多かったため、

それを捨ててポリプレニル免疫賦活剤を使用することになります。

 

ちなみに「ステロイド+ポリプレニル免疫賦活剤」というやり方は、

医学的な根拠がないだけでなく互いの効果を打ち消す可能性があります。

(ステロイドは症状を緩和するために過剰な「免疫を抑制」するためのもので、

ポリプレニル免疫賦活剤は「免疫を活性化」させるものです)

 

上述したようにいくつか気になることはありますが、

それでも治療法がなかったFIPについて効果がありそうな薬が出てきたことは大きな前進です。

また続報があればお伝えしたいと思います。

 

それではまた。

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