犬を飼うのであれば色々と必要になることがありますが、
今日はそのうち「予防」について整理しておきましょう。
犬の飼育にあたって必要となってくる予防は以下の3つです。
1.狂犬病予防接種
2.混合ワクチン
3.フィラリア予防
これを多いと思うか、少ないと思うかはさておき、どれも全て必要なものです。
ただし本人への感染リスクや重要度については差がありますので、
その辺りを含めて詳しくみてきます。
1、狂犬病予防接種
頻度:年に1回(通常は4月頃だが、他の時期も可能)
費用:3000円前後
優先順位:低い(法律により義務付けられている)
日本国において犬を飼育する以上、法律によって狂犬病を予防する必要があります。
なぜかというと、日本は狂犬病の存在しない貴重な清浄国だからであり、
それを維持するために国として法律を定めて予防に乗り出しているのです。
もしもの話ですが、なんらかの原因で国内に狂犬病が持ち込まれて広がってしまったならば、
根絶して清浄国に戻すのはまず不可能なのではないかと予想されます。
理由は狂犬病は哺乳類全般に感染する可能性があり、自然動物間で感染が蔓延してしまうと
それを止める手段がなくなってしまうからです。
そうならないように、最もリスクの高い「犬」は予防をしましょうというわけです。
ちなみに現実問題として家庭で買われている犬に狂犬病が感染するリスクはほぼないです。
なので優先順位は低めですが、法律で定められていますのでちゃんと予防しましょう。
2、混合ワクチン
頻度:年に1回が基本
費用:5000円~8000円程度
優先順位:高い
混合ワクチンの目的は、感染すると命に関わる病気を予防することです。
それらの病気は感染した場合には治療薬がないため、予防が唯一の手段になります。
通常はそうした最重要感染症以外にもいくつかの感染症を一緒に予防できるように
数種類の抗原が混ざった状態で販売されているワクチンが使用されます。
これらの病気については実際に本人に感染する可能性があり、重要度合いは高いです。
なお狂犬病予防接種と同時に注射をすることはできないため、
どちらかを優先して予防するときには混合ワクチンを先にするべきです。
3、フィラリア予防
頻度:月に1度(蚊のいる時期のみ)
費用:1000~3000円程度(体重や薬の種類によって変わる)
優先順位:高い
フィラリア(=犬糸状虫)と呼ばれる寄生虫の予防です。
フィラリアに感染してしまった場合、心臓が悪くなり寿命が短くなってしまいます。
感染時の治療法としては薬で時間をかけて虫を落とす方法と、
外科的にフィラリアの成虫を引っ張り出す方法があります。
しかし内科療法にはショックによる死亡のリスクがあり、
外科療法には専門の機材と技術が必要と実施へのハードルが高いため、
予防によってそもそも感染しないようにすることが大切になります。
そしてフィラリアは蚊によって犬から犬へと感染が広がっていくので、
蚊のいる気温の高い時期には月に一度、薬を使って予防を行うことになります。
なおフィラリアに感染している状態で予防薬を使った場合には、
ショック反応が起きて死亡してしまう可能性があります。
そのため、その年で最初に予防薬を使う前には血液を少量採取して検査を行い、
フィラリアに感染していないことを確かめる必要があります。
ちなみに冬の寒い時期には蚊がいませんので、当然予防する必要はありません。
(フィラリアに感染している場合や前述のフィラリア検査を省略したい場合などに
冬の間も継続して1年中投薬を行っている場合もあります。)
狂犬病予防接種or混合ワクチンなど他の予防や治療・検査と同時に行うことができますので、
時期が来て病院に行く機会ができたときにはフィラリア予防も始めましょう。
4、ノミ・ダニ予防
頻度:月に1度
費用:1000~3000円程度(体重や薬の種類によって変わる)
優先順位:低い
1~3までの予防に比べると必須ではないため最初に提示はしませんでしたが、
犬ではノミ・ダニの予防も行われることが多いです。
都内で生活していたり、室内飼育の場合にはノミ・ダニに寄生されるリスクは低いです。
しかしそれでも年に何人かはノミの被害で病院に来るケースはありますし、
酷い場合にはノミの吸血によって重度の貧血を起こし、命の危機に陥る子もいます。
ダニはノミ以上に寄生される確率は少ないですが、
山などにキャンプにいって戻ってきたら感染してました、ということがあります。
どちらも自然の多いところに住んでいたり、アウトドアの趣味がある場合などを除くと
実際の感染リスクは低いので必須ではありませんが、
余裕がある場合にはこれらも予防をしておくとよいでしょう。
最近では1つの薬でフィラリアとノミ・ダニを一緒に予防できるものがありますので、
それを使うと非常に楽でおススメです。(しかも別々に予防するよりも少し安いです)
さて、今日は犬の予防について見てきました。
最後のノミ・ダニを除くと、どれも必須な予防ばかりです。
それぞれの予防の必要性についてはある程度記載をしましたが、
予防の必要性についても考察してみました。
下記の記事もぜひご覧ください。
それではまた。