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猫のフィラリア予防は必要なのか?その理由と方法

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「猫の予防は混合ワクチンだけ行っていれば良い」

そういった考え方が一般的であると思いますが、

獣医師や製薬会社は猫のフィラリア症の予防も必要なのではないかと考えています。

(念のため、お金儲けのためではないです)

そして勉強熱心な猫の飼い主さんや、犬も一緒に飼っている猫の飼い主さんからも

ネコのフィラリア予防について問い合わせを受けることがありますので、

本日はそちらについてご紹介します。

 

フィラリアとは?猫にも関係あるの?

まずわれわれがフィラリアと呼んでいるのは、犬糸条虫のことです。

「犬」と名前に付いていますが、この寄生虫は猫にも寄生することが知られており、

犬だけの病気というわけではありません。

そのためフィラリアに感染している蚊に吸血されることによって、

犬と同じように猫にも感染する可能性があります。

しかし様々な理由からこれまでは予防としてあまり注力されてきませんでした。

 

なぜ猫のフィラリア症は予防が推奨されてこなかったのか?

理由としてはいくつか考えられます。

 犬よりも感染が起こりにくい

犬に比べて猫はフィラリアの感染抵抗性が高いです。

同じ条件下における猫のフィラリア感染率は、

犬の5~15%だったというアメリカの報告があります。

 

感染しても症状が出ないことがある

猫の場合、フィラリアに感染しても28%は無症状で経過します。

 

犬よりも感染していることの証明が難しい

猫のフィラリア症の検査方法としては

抗原検査、抗体検査、心臓の超音波検査がありますが、

どの検査法も犬に比べると精度が落ちてしまうため、

本当は感染しているのに、検査で見つけることができないということがあります。

なので一部の猫のフィラリア症については原因が他の病気と間違えられ、

見逃されてきている可能性があるのです。

 

ハッキリとしたことはわかりませんが、これらの理由が重なった結果

猫がフィラリア症にかかって重症を負ったという症例報告が集まりづらく、

犬ほど予防が推奨されるまでに至ってないのではないかと思います。

 

もしフィラリアに猫が感染したらどんな症状がでるのか

猫がフィラリアに感染した場合にみられる可能性のある症状は、

咳、呼吸困難、食事時間と関連のない嘔吐、突然死です。

これらの中で最もみられる可能性が高いのは咳と呼吸困難です。

どれをみても嫌な症状が並んでいますので、

予防できるならした方がよい、ということも納得していただけるかと思います。

 

ちなみにフィラリアに感染した猫は28%が無症状で経過するといいましたが、

細かい話をするとその無症状で経過した後に症状が出る可能性もあります。

そのため実際にはもっと無症状の割合は下がるわけです。

 

猫のフィラリア症予防はどうやって行うのか

そもそも猫のフィラリア予防が一般的になっていませんので、

猫フィラリア予防の目的で開発された薬がほとんどありません。

犬と同じフィラリア薬を飲むという選択肢もなくはないですが、

猫用に開発されていないため、獣医師としては安全性の保障をしかねます。

 

今唯一発売されている猫のフィラリア予防薬はレボリューションです。

現状としてはノミの予防として使用することが一般的ではありますが、

背中に垂らすだけで簡単に予防ができますので、お勧めです。

 

猫は投薬前にフィラリア検査しなくていいの?

犬を飼っている人は、「あれ?そういえばフィラリア検査はしなくていいの?」

と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

とてもいい質問だと思います。

 

もしフィラリアに感染している猫に予防薬を使用すると、

犬と同様にショック反応等が起きる可能性があります。

そのため本当はフィラリアに感染しているかどうかを確かめてから投薬する、

それが犬と同様に行われる方が望ましいのは確かです。

しかし上述したように猫ではフィラリアに感染していたとしても

それを検査によって見つけることが難しいため、実際に行うのは難しい。

そのためフィラリア検査を行わずに投薬することが問題とされていないのが

現状の話かと思われます。

 

もちろん今後猫のフィラリア感染に対するよい検査法が開発された場合には

犬と同様に投薬前のフィラリア検査を行うことが一般的になると考えられます。

しかしいまの猫のフィラリア予防の啓蒙率から考えるとだいぶ先の話になるでしょう。

 

 

だいぶ長々と話しましたので、最後に整理しておきましょう。

猫のフィラリア症は感染への抵抗性などから犬ほどリスクは高くないが実際に存在し、

感染した場合には呼吸器症状などの症状が出る可能性が考えられるため、

可能であればレボリューションを使用して予防を行っておいた方が良い。

(検査で感染の有無を調べるのは難しい。)

参考になりましたでしょうか?

 

それではまた。

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