動物について

ペットにとっての幸せとは何か、などを考える

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獣医として命に向き合う仕事をしていると、

ペットにとって一番いい選択は何かということを考える機会が必ずあります。

それについてはペットが喋ってくれないので人間が想像するしかないのですが、

どうしてあげるのがその子にとって一番幸せなのか、良いと思われるのかを考え、

飼い主さんとじっくりと相談して方針を決める、

そんなことを私は理想の診療として考えています。

ということでそれに関連して今日のテーマは、

「ペットにとっての幸せとは?」です。

 

そもそも幸せとは?ペットにとっての幸せとは?

まず「幸せとは?」という哲学的な難しい問いに、いきなりぶちあたってしまいます。

人類がホモサピエンスとして進化してきてからずっと考え続けて答えの出ない難問を

ただのいち獣医が考えてもわかるとは到底思えませんので、

まずはペットについての幸せに限定します。そして、

ペットに関しての「幸せ」とは、

QOL(クオリティオブライフ)=生活の質 が高いこと

だと考えています。

つまりペットが日々の生活をできるだけ痛みやストレスなどから解放された状態で送り、

飼い主との良好な関係を維持できることをペットの幸せだととらえています。

まあざっくり言うとペットが何不自由なく生活できるといいなーということですね。

若い時はほぼ何不自由ないでしょうが、問題は高齢になった時でしょう。

人間同様に色々なところに問題が起きて、痛みや吐き気などでQOLが低下しがちです。

 

QOL維持のための治療はどこまでが妥当か?

QOLを維持するためには健康である必要があります。

痛かったり、気持ち悪かったりすると、とても幸せな生活とはいえないでしょう。

ただその健康を維持するための治療行為自体がQOLを下げる可能性があります。

そのため治療行為をどの程度行うかはバランスを取りながらの判断になります。

例えばあまりにも薬を嫌がる猫に毎日強制的に投薬するのはイマイチでしょうし、

病院が嫌いすぎて入院すると何も食べ無くなるような犬に入院治療もおススメしかねます。

本人の性格や症状の重篤さ、病気のステージングなど色々な要素から個々に判別し、

オーダーメイドのように決めていくことになります。

そしてそこが獣医としての腕が出てくるポイントの一つかと思います。

ということで結論は、

「どこまでが妥当かのシンプルな線引きは不可能なので、個別に判断する」

となるでしょう。

 

長生きすることは幸せか?

関連したテーマとして長生きは幸せか?目指すべきか?ということがでてきます。

最初の考え方に基づくと、長生きとQOLは関連しませんので、

長生きすることは幸せとは関係ないと思います。

そのため、長生きのための健康を最優先して、

あまり美味しくない療法食をむりくり食べさせたり、

嫌がる薬を飲ませたりするのはペットにとっては幸せではないんだろうな

と思ってしまいます。

でも飼い主さんとしてはペットが長生きしてくれた方が確実に幸せでしょう。

そして飼い主さんが幸せじゃないとペットも幸せじゃないのではないかと思うので、

ペットについては長生き=幸せ ということもある程度成立するのかなと思います。

ちなみにペットは自分で長生きのための行為を選択することはできませんので、

全ては飼い主さんの行動(と獣医)にかかっています。

なので飼い主さん側がしっかりと管理してあげるようにしましょう。

 

 

なんだかよくわからなくなってきたのでまとめますと、

・動物にとっての幸せとは痛みやストレスなどのない生活が送れること

・そのためには治療が必要になることもあるが、それによって不幸にならないよう

 どこまでやるのかその子にあったプランを考えるべし。

・ペットについては「長生き≒幸せ」も部分的に成立するので、

 できるだけ長生きをめざして飼い主さんが健康管理をするべし

となります。

 

健康は飼い主さん次第ということについては、もう少しお伝えしたいこともありますので、

また別の記事でお話ししたいと思います。

それではまた。

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