病気について

犬・猫の腎結石~治療、手術が難しい理由~

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今日は犬・猫で比較的よくみられる腎結石についてお話します。

 

腎結石とは?

腎結石はその名の通り、腎臓に結石ができる病気です。

中高齢以降の犬・猫にみられることが多く、通常は無症状のため

他の病気のための検査や定期健診などで偶然見つかる事が多いです。

 

尿の経路としては、

腎臓 ⇒ 尿管 ⇒ 膀胱 ⇒ 尿道 ⇒ ペニスor膣 ⇒ 排泄

となっており、スタート地点である腎臓に石ができているという事です。

 

腎臓に石があると、良くないの?

端的に言うと、尿管閉塞を起こすリスクがあり良くないです。

また、石によって腎機能の低下を引き起こす可能性があります

石は通常腎臓の中にありますが、ふとしたことで腎臓の尿の流れに乗り始め、

尿管以降の経路へと移動をすることがあります。

腎臓の次にある尿管というのはものすごく細いため、

腎臓から落ちてきた石はほとんど尿管で詰まってしまいます。

尿管が石でつまってしまうと、腎臓で作った尿が行き場を失ってしまい腎臓にたまり続け、

水腎症や腎盂腎炎を引き起こし、一気に腎臓の状態が悪くなってしまいます。

 

また、腎臓に存在する石が尿細管や糸球体などの腎臓の構造に負担をかけ、

通常よりも速い速度で腎機能が低下する可能性があります。

 

腎臓の状態が悪くなるとどうなるの?

わかりやすいケースでは腎不全によって、

食欲の低下、貧血、吐き気などの症状を引き起こします。

腎不全の末期では体の毒素を尿に捨てる機能が不足するため、

尿毒症で命を落とすこととなります。

 

人と同様に犬や猫では腎臓が2つありますので、1個が機能低下したとしても

生き残った腎臓の機能が残っていれば生きることはできます。

 

腎結石を取り出すことはできないのか?

残念ながら現在の獣医学では腎結石を対処することが難しいです。

石を取るには

1、尿管を切ってそこから腎臓へと摘出鉗子をすすめて、石をつまんで取り出す

2、腎臓を切って直接石を取り出す

の二通りあります。

しかし尿管を切った場合には術後に尿管閉塞を引き起こしやすく、

将来の尿管閉塞を避けるために手術をしたのに、その手術によって尿管閉塞になってしまう、

というリスクがそれなりにあります。

また、腎臓を切った場合には肝臓のように回復力が高くないため、

それによって腎機能が低下してしまうリスクがあります。

なので、

腎結石を手術で取ることに対する メリット < デメリット

と判断することがほとんどかと思われます。

 

じゃあ腎結石ができたらどうしようもないのか?

一つ良い解決策があります。

尿路結石の種類にはいくつかありますが、ストルバイトという種類の場合には

食事管理や薬の投薬などによって石を溶かすことができる可能性があります。

ただし石の種類が確定するのはその石を回収できた場合だけです。

 

じゃあ手術してとらないと結局わからないじゃないか

と思うかもしれませんが、

尿検査をすることによって石の種類を判断するヒントが得られる可能性があります。

尿の中には「石」よりも細かい「結晶」が存在することがあり、

石と結晶は同じ種類のことが多いので、

尿中の結晶がストルバイトであれば、腎結石もストルバイトであり、

治療によって溶かすことができるかもしれないというわけです。

 

ただし、石と結晶は必ずしも同じ種類というわけではないため、

尿にストルバイト結晶が出たからといって、

必ず腎結石を溶かすことができるわけではありません。

(腎結石がストルバイトだとしても、溶かす治療に反応しないこともあります)

 

まとめ

腎結石は腎臓の機能を低下させる可能性がある病気である。

手術によって治すことはできるが、デメリットの方が大きい

石の種類がストルバイトの場合には、内科治療で治せる可能性がある

 

 

通常は経過観察をしていくことが多いです。

もし腎結石が見つかってしまった場合には、

今後の方針を主治医とよく相談しておくとよいでしょう。

 

それではまた。

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