こんばんは。
今日は久しぶりに(?)まともな情報をお届けいたします。
あえて刺激的なタイトルにしていますが、
今日の伝えたいことはタイトルそのままです。
尿石症に困っていなければPHコントロールを食べる機会もないでしょうが、
意外と泌尿器系のトラブルは多いので(特に猫)、
対象となる読者さんも多いかと思います。
何が危険なの?
真っ先にここが気になるかと思いますので先に言うと、
腎臓の悪化を早めてしまう可能性があります
大事なところは「可能性がある」という所です。
必ずしもというわけではなく、可能性です。
なぜ腎臓が悪くなる可能性があるのか?
理由は餌に含まれる塩分量が多いからです。
PHコントロールが尿石症を抑える理由の一つに、
食事中の塩分量が多いので喉が乾く
⇒飲む水の量が増える
⇒尿の量が増える
⇒古い尿が尿路(主に膀胱)に残ることを妨げる
⇒石ができにくくなる
という事があります。
確かに尿石症の予防効果は高いのですが、
この塩分が多いというのが腎臓に負担をかけてしまう可能性が指摘されています。
実際にPHコントロールを普通の一般食と食べ比べてみてください。
PHコントロールは塩分が多く、味が濃いことがわかると思います。
(私はよくペットフードを食べ比べてみますがお腹を壊したことはありませんので、
みなさんも安心してトライしてみてください)
ちなみにこの味の濃さによって食いつき(嗜好性)の良さも引き出されています。
その話は信用できるのか?
信用できるかどうかは情報源次第かと思います。
PHコントロールはロイヤルカナンから発売されていますが、
情報源となる報告はライバル会社のH社から出たものです。
営業さんから資料を見せてもらったので、実際にそうである可能性が高いですが、
PHコントロールの競合先からの報告ですので、
鵜呑みにしすぎるのは良くないのかもしれません。
なので「可能性がある」という事を強調してきました。
あとは肝心かなめの塩分量についてですが、
これは各フードに印刷されている成分表からも確認できます。
ドライフード(カリカリ)で比較すると、100kcalあたりの塩分量は
ロイヤルカナンのPHコントロールシリーズは最低でも310mg
ヒルズのc/dシリーズでは最高でも94mg
その差は3倍以上です。
水に溶いて飲み比べるとよくわかりますが、3倍の塩分はものすごい差になります。
これをどう考えるかはあなた次第ですが・・・
どのぐらいのペースで悪くなるのか?
元のデータでは、
高塩分食を外見上健康な初期腎不全の猫に12週間与えた場合に、
低塩分食よりも血液検査の腎項目が悪化傾向にあった、となっています。
つまり最速で3か月程度で初期腎不全を悪化させる可能性がある
ということになります。
ただしこのデータにおける塩分量がPHコントロールと同じとは限りませんので、
やっぱりPHコントロールは絶対ダメ!とは言い切れないわけです。
このデータは猫だけ取り上げていますが、犬でも同様のことが言える可能性があります。
(これもあくまでも「可能性」の話ですが)
結局PHコントロールは食べても大丈夫なの?
現時点で結論は出せません。
「PHコントロール以外の食事で尿石症をうまく管理できるのであれば、
それを維持しておいた方が良いのではないか」
というのが今のところの私の意見です。
ちなみにPHコントロールでなければ尿石症をコントロールできない症例もいますので、
どうしても必要になるケースもあると思います。
年単位でずっとPHコントロールを食べていても腎不全じゃない子も見ていますので、
絶対ダメ!みたいな極端な考え方は避けた方が良いでしょう。
まとめ
・PHコントロールは塩分が多いため、猫の初期腎不全が悪化する可能性がある。
・PHコントロールを長期間食べていても腎不全ではない子もいるので、
必ず問題になるというわけではない。
なんだか不安を煽るような記事になりましたが、
データ上はそういう事ですので、参考にしてみてください。
それではまた。