動物について

スズメ問題について

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ノラ猫の記事を書いたタイミングでモト冬樹のスズメ飼育問題がニュースに流れてきましたので、獣医師としての意見(私見)を書いてみます。

個人的によろしくないと思う点は2つ。

1、人間界のルール(法律)を破っている点

これはそのまんまですが、鳥獣保護管理法を違反しているという点ですね。人間が集団生活を営むために公益性の観点から定めたルールが法律であり、それを違反するというのはいかなる理由があろうとも推奨されることではないからです。目の前に圧倒的弱者である傷ついたスズメがいて、カラスに捕食されようとしていたら助けたくなるのはわかります。でも一時保護するまではいっても、そのあとは野生に戻すべきでしょう。たとえそのスズメが野生では生きていけないとしても、です。日本の生態系を維持するために、法律でそうすべきと決められていますから。

 

2、自然界(野生)のルールに人間の事情を持ち込んで荒らしている点

個人的には野生動物に対して人間が関わることがよろしくないと考えています。別にそれはスズメだからではなくて、公園のハトだろうが、カラスだろうが、ノラ猫だろうが同じことで、野生動物は野生の世界で野生のルールで生きていますので、そこに口を出すべきではないと考えているからです。

これが逆の場合だったらどうかと考えてみましょう、すなわち野生のルールが人間界に持ち込まれた場合です。「サラリーマンは毎日会社に強制的に出社させられて、自分の時間を自分のために使えていないから可哀想だ、野生の世界で生きるべきだ!」と言って、突然猪なんかに山の中に連れ去られてしまうわけです。「野生では自分の餌は自分で確保するんだ!」とか言って何も与えられず、山をうろつく羽目になる。余計なお世話をしないでくれ、お前の価値観で勝手に決めつけないでくれと言いたくなりますね。そういうことだと思います。

たとえ傷ついていて捕食されるのを待つだけの身だとしても、それは彼らの世界のルールではしょうがないことです、そういう世界のなので。そこに「可哀想」という人間界の事情を持ち込んでしまうのは何か違うと思います。助かったスズメは生き延びてハッピーですが、本当はそのスズメを捕食できていたはずのカラスが飢えてしまうのは「可哀想」ではないのでしょうか?「弱者を救う=良い行い」は人間界では常識かもしれませんし、推奨される行為ですが、それはあくまでも人間界の話です。人間のルールは野生に適用してはいけません。

 

それではまた。

 

 

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