陰睾(睾丸停滞)


危険度

低~中程度

精巣が腹腔内に存在する場合は、腫瘍化するリスクが高いため注意が必要である

 


発生頻度

犬:普通

猫:普通

 


分類

生殖器疾患

 


症状

とくに症状を伴うことはないが、皮下陰睾の場合は皮膚に盛り上がりがあるように触れることもある

腹腔内の精巣が腫瘍化した場合には元気食欲の低下や、嘔吐・嘔吐などがみられる可能性がある。

 


詳細

生まれた直後の精巣は腹腔内の腎臓の近くに存在しており、生後1か月を目安に陰嚢に降りてくる。しかしこの精巣の移動が不十分で、腹腔内や鼠径部などに残ってしまうことがあり、陰睾もしくは睾丸停滞と呼ばれることとなる。これは両側性の場合もあるし、片側だけにみられることもある。精巣は陰嚢に収まることで体熱から解放されて正常に発達することができるが、陰睾の場合は体熱の影響を受けて発達が不十分でホルモンを生産しないことが多い。陰睾自体が体調の悪化を招くことはないが、腹腔内に残った精巣は腫瘍化することがあるのでリスクがあり、早期に外科的に摘出することが望ましい。また陰睾は遺伝性であるため、陰睾の個体は繁殖に使用しないほうが良い。

腹腔内で精巣が腫瘍化した場合は、通常の腫瘍と同じように近くのリンパ節や内臓に浸潤・転移する可能性があり注意が必要である。詳しくは精巣腫瘍のページを参照。

 


診断

問診(去勢の有無)や触診によって診断する。精巣が小さい場合には触ってもわかりにくいケースもある。

腹腔内の場合には膀胱の近く、皮下の場合には鼠径部と停留していることが多い場所は決まっているが、必ずしもそこにあるとは限らない。また上記の理由から陰睾となった睾丸は発達不良で小さいままになっていて、場所がわかりにくいことも多い。皮下の陰睾であれば触診によって場所が特定できることもあるが、腹腔内に精巣が残っている場合は超音波装置でないと詳細な場所を特定できない。

腹腔内の精巣が腫瘍化している可能性が疑われる場合は体表のリンパ節の触診とともに、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などを行い浸潤や転移がないか確認しておく必要がある。

腹腔内の陰睾は腫瘍化していないかどうかを確かめるために、摘出後に病理検査に出すこともある。

 


治療

去勢手術を行い、精巣を除去することで行う。

皮下の陰睾であれば皮膚を切開するだけで済むが、腹腔内の陰睾であれば全身麻酔下でお腹を開ける開腹術が必要になる。

腹腔内の精巣が腫瘍化しており、近くの臓器に転移・浸潤していたり、癒着を起こしている場合などは外科的な切除を行わなず、代わりに抗ガン剤の投与を治療として行うこともありえる。

 


予後

良好である。

腹腔内の陰睾が腫瘍化していた場合は近傍リンパ節や他の臓器への転移・浸潤の有無で予後が変わるため、予後を一概にいうことはできない。

 

注意

 

 

 

 

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