皮膚糸状菌


危険度

低い

 


発生頻度

犬:普通

猫:多い

 


分類

皮膚疾患

 


症状

毛が薄い、毛がボソッと抜ける、飼い主の皮膚が痒い

 


詳細

皮膚糸状菌はカビの一種であり、犬や猫に感染した場合には主に被毛の脱毛を引き起こす。免疫低下状態においては抵抗力の低下から悪化が起こりやすいため、免疫抑制剤を服用している個体や、ホルモン疾患を保有している個体では注意が必要となる。室内飼いの犬・猫であっても感染する事は珍しくなく、一度発症したペットは他のペットに対する感染源となりうる。そのため多頭飼育を行っている環境では注意すべき疾患であり、もし発症が確認された場合には早急にその個体を隔離すべきである。そして飼い主や世話係が感染を媒介し、被害を広げる恐れがあるため、患者を触った後には良く手を洗うべきである。また皮膚糸状菌は人獣共通感染症でもあり、人に対しても感染が起こりうるため注意が必要となる。

 


診断

視診と皮膚検査を行い、追加で真菌培養検査を行う事で診断を行う。

発赤や痒みを伴わない脱毛という比較的特徴的な症状を示す事が多く、簡易の培養キットの助けもあり診断自体は難しくない。

 


治療

皮膚糸状菌の治療はシャンプーによる全身の洗浄や、抗真菌薬を使用して行う。なお免疫が低下するような基礎疾患(糖尿病、甲状腺ホルモン疾患、副腎皮質ホルモン疾患など)がある場合には、そちらの治療を進めていかないと治療に苦慮する可能性が高い。

 

<1、シャンプー治療>

薬浴シャンプーでは、以下の4点が大事となる。

・薬剤を出来るだけ泡立てて洗う事

・薬剤で洗った後、しばらく放置して薬剤を浸透させる事

・しっかりと洗い流す事

・乾燥を十分に行う事

なお自宅でのシャンプー実施が困難な場合には動物病院やトリミングサロンに頼むと良い。

シャンプー治療の欠点としては、洗った事により局所的に存在していた皮膚糸状菌が全身に広がってしまう可能性がある点が挙げられる。頻繁に起こる事ではないが、そうなった場合には内服薬を使用して全身に抗真菌剤を効かせる事が必要となる。

 

<2、抗真菌剤の使用>

抗真菌剤はシャンプー治療よりも効果が期待しやすいが、抗真菌剤の副作用として肝臓に負担がかかる可能性がある。そのため可能であれば内服薬による全身投与ではなく、外用薬(塗り薬)による局所的な投与で治療することが望ましい。

・外用薬(塗り薬)

メリット:肝臓に負担がかかりにくい。治療が安価。

デメリット:塗った場所にしか効果が無く、広範囲の治療には向かない。そのため投薬していない離れた場所に症状が新たに発生する可能性がある。

・内服薬

メリット:全身に薬効を届ける事ができる。治療効果が最も期待できる。

デメリット:肝臓に負担がかかる可能性がある。治療がやや高価。

なお抗真菌剤の内服によって肝数値が悪化した場合、治療には時間がかかる事が多い。そのため抗真菌剤の内服の前には獣医師によく話を聞いてから決断をするべきである。

 


予後

しっかり治療されれば良好。ただし再感染や再発する可能性がある。

 

注意

 

 

 

 

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