股関節脱臼


危険度

低い

 


発生頻度

犬:少ない

猫:少ない

 


分類

運動器疾患

 


症状

足を痛そうにする、足をつかない、後ろ足を触ろうとすると怒る、痛そうにして動かない、など

脱臼の起こった側の足に強い痛みを生じるため、それに伴う諸症状がみられる。近くに筋肉が多数存在し、それらによって脱臼後も支えられるため、骨折のように足がプラプラする事はない。

 


詳細

股関節は大腿骨の骨頭による凸部と、骨盤にある寛骨臼による凹部の組み合わせによって構成されている。通常は凸部と凹部はしっかりと組みあっており、かつ大腿骨頭には靭帯が付着しているために、股関節は簡単には脱臼しないようになっている。しかし交通事故に代表される外傷や、運動時の急激な負荷などによって大腿骨頭が寛骨臼から外れてしまう事があり、それを股関節脱臼と呼ぶ。生まれつき寛骨臼の窪みが浅い場合や、変形性関節症によって寛骨臼の凹部の変性が進んだ場合などにおいて、股関節脱臼は起こりやすい。その他のリスク因子としては肥満があり、体重の過多による股関節への負荷が脱臼の可能性を高める。

脱臼が起きた場合には靭帯の損傷によって炎症や出血が起き、強い痛みを引き起こす。痛みによる症状は分かりやすい形で見られるため、ほとんどの飼い主が異常に気づく事が出来ると思われる。しかし外に出る猫などでは発症から長時間が経過してしまい、痛みが静まり症状がわかりにくくなった状態で気づかれずに過ごしてしまう事もあるかもしれない。

 


診断

問診や触診、レントゲン撮影を行って診断する。あまりにも痛みが強い場合には、鎮静処置を必要とする事もある。また問診の時点で股関節脱臼が疑われる場合には最初から全身麻酔を実施し、検査で診断を付けた後にそのまま整復手術に入るという手順を選択する場合もある。CT撮影を行って詳細な関節の状況を確認する可能性もあるが、診断にはそこまで必要としない上に一般的な病院ではCT検査機器を保有していないため、稀なケースかと思われる。

 


治療

<内科治療>

体重を減らして関節への負担を減らすとともに、消炎鎮痛剤を用いて痛みを取り除き股関節の安定化を待つ治療法である。股関節周辺には筋肉が多く存在し、体重の軽い小型犬や猫では外科的な治療を施さなくても落ち着く可能性がある。しかし根本治療ではなく、長期的な視点からは悪影響の可能性が懸念されるため基本的に推奨されない。

 

<外科手術>

根本的な治療となるのは外科治療のみである。大きく分けると2つの方法がある。

1、非観血的整復術

股関節を手で元の位置に戻す処置を行う。様々な筋肉のテンションが整復を邪魔するため、全身麻酔による筋弛緩が必須となる。一時的に脱臼は改善されるが再脱臼してしまう事が多く、その場合には観血的整復術を行う方が良い。

2、観血的整復術

全身麻酔下で大腿骨頭切除術、関節包再建術、人工関節置換術などの術式を用いた手術を行う。日本で飼育されているのは多くが小型・中型犬と猫のため、多くは大腿骨頭切除術が選択されると思われる。

 


予後

良い

 

注意

 

 

 

 

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