危険度
低い
発生頻度
犬:多い
猫:多い
分類
感染症疾患
症状
ノミがいた、皮膚の痒み、皮膚の赤み、脱毛、フケやかさぶたがある、など
詳細
イヌノミ、ネコノミの寄生によって犬や猫は痒みを生じるようになる。自然の多い環境で生活をしていたり、温暖な地域であるほどノミ寄生のリスクは上がる。特に野良猫や外飼いの猫では非常に一般的な問題であり、重度の寄生によって貧血や食欲低下などの症状をきたす場合も存在する。感染経路はハッキリしない事が多いが、室内飼いのペットでもノミが寄生する事は珍しくなく、特に春先~秋までの気温が高い間は飼育場所に限らず予防をしておくことが望ましい。
ペットにノミ寄生が見られた場合には、自宅の中にもノミが蔓延している可能性を考えなければいけない。仮に成虫による繁殖が進んでいる場合には成虫の数十倍の卵や幼虫、サナギが自宅に存在している事になり、ペット本人の駆虫が行われても環境中のノミがすぐに再寄生してしまう恐れがある。そのためノミ寄生が見られた本人の駆虫と、同居ペットの駆虫、そして自宅内の清掃・駆虫は同時に行う必要がある。
ノミは当然人にも寄生するため、ペットだけでなく飼い主の生活の質を下げる恐れがあり、見つけた場合には早期に対処する方がよい。
診断
ノミ成虫の寄生を見つける事、もしくはノミ糞の付着を確かめる事が診断に繋がる。これは獣医師でなくとも可能であり、疑わしい場合には下記の方法でノミの有無を調べてみると良い。
【ノミのチェック方法】
ノミは首、腰、腹部などの毛深い所によく見られ、細長い茶色の米粒程度の虫が毛の間を走り抜けていればノミが疑われる。ノミ糞は黒い点状のゴミに見えるが、濡れたティッシュやコットンで擦ると赤茶色に滲むため、ゴミなどと区別可能である。(ノミの糞はペットの血液で出来ているので、濡らす事で血液の色が滲み出てくるが、ゴミは濡らしても滲む事はない)
ノミの寄生数が多い場合には、貧血の度合いを確かめるために血液検査を行っておくことが推奨される。
治療
ノミの駆除については以下の通り進めていく。
【ペット】
ノミの駆除剤を使用する。「フロントライン」などに代表されるスポットオン製剤(背中に付ける液体タイプ)を使用することが多いが、飲み薬タイプも存在するため、好みがある場合には獣医師に伝えると良い。
ノミが確認された本人だけでなく、同居のペットも同時に駆除薬を使用する必要がある。
【自宅】
1、まずは部屋全体に念入りに掃除機をかける。特に毛足の長いカーペットなどには虫が入り込みやすい上に掃除が難しく、徹底的に掃除機をかける事や天日干しにする事を組み合わせて行った方が良い。
2、「バルサン」など部屋全体を駆虫できる薬剤を使用し、掃除で取り切れなかったノミを駆除する。カーペットには追加でスプレータイプの薬剤を噴霧するのもより効果的である。
またノミの寄生によって貧血が起きている場合には、造血サプリメントや造血剤の投与、輸血などの治療を行う可能性がある。
予後
良い