鼠経ヘルニア


危険度

低い

 


発生頻度

犬:普通

猫:低い

 


分類

先天性疾患

 


症状

内股が腫れている、内股にぷよぷよしたものがある

消化管がヘルニア孔に嵌まり込んだ場合には、嘔吐、下痢、食欲廃絶などが起こる可能性がある

 


詳細

鼠経輪は腹腔内の太い動静脈から発生した分岐血管を体表に出すための穴である。通常この鼠経輪は血管を通すだけの必要最低限の幅しか開いていないが、先天的に穴が大きい個体がおり、この鼠経輪の穴が大きい状態を「鼠経ヘルニア」と呼ぶ。ヘルニア孔からは腹腔内の脂肪が皮下に飛び出してくることが多いが、これであれば健康上何の問題もない。鼠経ヘルニアの中でも非常に稀なケースとは思われるが、穴があまりにも大きい場合には消化管が穴に嵌まり込むことで機能不全に陥る事もあり得る。いずれにせよ正常な状態ではないために治療を施すことが推奨されるが、鼠経ヘルニアの治療のためだけに全身麻酔をかけることは躊躇われるので、去勢や避妊手術の際に合わせて治療が行われることがほとんどである。

ペットショップやブリーダーでは販売後に客とトラブルになることを避けるために、実際にヘルニア孔が開いている・いないに関わらず「鼠経ヘルニアがあるかも」と言い、客に子犬や子猫の販売を行うことがあるので注意が必要である。もしその様に言われた場合には獣医による診察を受けて、本当に鼠経ヘルニアがあるかどうかを確かめておいた方が良い。そして実際に鼠経ヘルニアがあった場合もなかった場合にも、それらのペットショップやブリーダーの利用を今後控えるか検討すべきである。ヘルニアがあった場合には、その店が遺伝的に鼠経ヘルニアを発症しやすい家系を扱っている可能性が高いからである。そしてヘルニアがなかった場合は、珍しくもない鼠経ヘルニアを判断できないほど店の能力が低いか、予防線の張り方が過剰であり店としての信用に欠けるからである。(もちろん鼠経ヘルニアのある・なしが本当に微妙なケースはありうるので、全て店やブリーダーがそうというわけではない)

 


診断

触診によって診断可能なケースがほとんどである。

レントゲン検査や超音波検査によって、ヘルニア孔の大きさや飛び出してきた腹腔内臓器の詳細を確認することもある。

 


治療

ヘルニア孔を縫い狭める外科手術が治療となる。ヘルニア孔は血管の通り道でもあるために、穴を塞ぎ過ぎると血行を阻害して後ろ足の麻痺や壊死を引き起こす恐れがある。そのため腹腔内の臓器や脂肪が脱出しない狭さで、かつ血管は余裕で通過できる適切なサイズに矯正する必要がある。とはいえ決して難しい手術ではなく、アプローチする場所や方法も一定で簡単なものに分類される。なお体に吸収されない種類の糸を使用して縫いつけるので、糸が経年劣化で切れた場合に再発する可能性がある。

 


予後

良い。

注意

 

 

 

 

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